犬派?猫派?の議論でもお馴染みの猫。
一般社団法人ペットフード協会によると、2021年の犬猫の飼育頭数は以下のとおりです。
犬猫を飼育する世帯数及び飼育頭数(2021年度)
犬:710万6千頭
猫:894万6千頭
出典:2021年(令和3年)全国犬猫飼育実態調査 結果|一般社団法人ペットフード協会
空前の猫ブームが到来している昨今、猫を飼っているお家に遊びに行ったり、猫と触れあったりして、
・くしゃみが頻繁に出る
・目がかゆい
・顔や肌がむず痒い
と感じたことはありませんか?
もしかするとその症状、「猫アレルギー」かもしれません。
ここでは猫アレルギーが起こる原因や仕組みについて知り、今後の猫との接し方を考えていきましょう。猫アレルギー持ちの猫好きさん、これから猫を飼いたいと思っている方、必見です。
猫アレルギーの症状とは?アレルギーが起こる仕組みについて

猫アレルギーとは、猫が持つアレルゲンを取り込むことで起こるアレルギー症状のひとつです。猫に触れたり、同じ空間にいたりすることで症状が見られ、症状が強まってから「猫アレルギーかも」と発覚するケースが多いです。
猫アレルギーは人間の体に起こるアレルギー症状(Ⅰ型~Ⅳ型)のうち、Ⅰ型に分類されるといわれています。ちなみにⅠ型で代表的なアレルギーには、花粉症や蕁麻疹が挙げられます。
人間が体内にアレルゲンとなる物質を取り込むと、有害なアレルゲンを排出しようとヒスタミンと呼ばれる物質が生成されます。このヒスタミンは脳へ警告信号を伝え、脳はその信号を「かゆみ」と判断するのだとか。かゆみ信号は脳から身体の各部位へ伝達され、有害物質を排出するよう促します。
つまり、猫アレルギーの症状とは、有害物質から身体を守るために働くかゆみなどの諸症状のこと。猫とふれあってアレルギーが出る場合、身体の防衛本能が機能しているといえます。
猫アレルギーの代表的な症状は以下のとおりです。どのような症状が出やすいのか、部位ごとに確認していきましょう。
体の部位 | 症状 |
目 | ・かゆみ ・充血 ・涙 ・腫れ |
鼻 | ・かゆみ ・鼻水 ・鼻づまり |
喉 | ・咳 ・違和感 ・イガイガした痛み ・喘鳴(ヒューヒュー音) |
皮膚 | ・かゆみ ・発赤(ほっせき) ・じんましん |
そのほか | ・息苦しさ ・胸の締め付け感 ・唇の荒れ ・アナフィラキシーショック など |
猫アレルギーが起こると、症状の重さは違えど、花粉症によく似た症状が出やすいのが特徴。猫を飼っているお宅にお邪魔したり、猫にふれた際にこのような症状が出るという方は、猫アレルギーの可能性が高いです。
猫アレルギーの原因物質はネコが持つ“タンパク質”だった

猫アレルギーの主要アレルゲンは、ネコが持つタンパク質の「fel d(フェルディー)」だといわれています。このタンパク質、実は猫の毛に含まれていないということをご存じでしょうか。
猫が持つfel d は、現在分かっているもので8種類。
花粉症の人にスギ花粉、ヒノキ花粉、ブタクサ花粉など異なるアレルゲンがあるように、実は猫アレルギーもどのfel dに反応するかは人によって異なります。
以下では、猫アレルギーの原因である代表的なfel dと、fel dが何に含まれているかをまとめました。
fel d 1(フェルディーワン)
代表的な猫アレルギーのアレルゲン(原因物質)で、猫アレルギー患者のうち、約9割がアレルゲンとして反応します。
fel d 1を含むもの……皮脂、唾液、涙、排泄物 など
fel d 4(フェルディーフォー)
fel d 1の次にアレルゲンとなりやすいタンパク質で、猫アレルギー患者の約6割が反応するといわれています。唾液線から分泌される特徴があります。
fel d 4を含むもの……唾液
fel d 7(フェルディーセブン)
猫アレルギー患者の約4割がアレルゲンとして反応するといわれ、唾液腺から分泌されやすい特徴があります。
fel d 7を含むもの……唾液、舌
fel d 5w(フェルディーファイブダブリュー)
猫アレルギー患者の約4割が反応し、フケに多く含まれています。もともと免疫細胞に含まれるタンパク質であることから、フケ以外のものにも注意が必要です。
fel d 4を含むもの……フケ、唾液、涙
このほか、fel d 2、3、6、8などのタンパク質は猫アレルギー患者のうち1割~2割ほどしかアレルゲンとして反応しないといわれますが、そのどれもが唾液や血液に含まれているといわれています。
猫アレルギーで愛猫の毛やフケを気にする方は多いですが、アレルゲンとなる物質の多さから考えると、唾液が最もアレルギー症状を引き起こしやすいかもしれません。
猫が持つタンパク質「fel d」について、詳しい記事はこちら
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fel dについて考えてみると、猫の毛自体にはもともとアレルゲンがないことが分かります。猫は自分でグルーミング(毛を舐める行為)をする生き物ですから、この過程で体全体にアレルゲンが付着し、空気中に舞った毛やフケが人間にアレルギーを引き起こしていたんですね。
そのため一般的には、
・毛繕いをする猫ほどアレルギーを起こしやすい
・短毛種は毛が舞いやすくアレルギーが出やすい
・猫アレルギーだから猫に触れられない
といわれています。
猫のアレルゲンは「毛」ではなく唾液やフケに含まれるという事実を知って、猫アレルギーを上手に回避・対策していきましょう。
猫アレルギーとの上手な付き合い方

猫アレルギー持ちの方が猫との幸せな生活を送るには、アレルギー症状を軽減させる次のような対策を心がけることが大切です。
・愛猫の定期的なブラッシング
・愛猫の定期的なお風呂(もしくは蒸しタオル浴)
・愛猫のベッドやトイレは清潔に
・布製品が多い場所(特に寝室)に猫を入れない
・HEPAフィルター付きの掃除機、空気清浄機を選ぶ
・こまめに手洗い、うがいをする
・自分の免疫力を高める
・病院(内科・耳鼻科・皮膚科・アレルギー科など)へ相談
また、これから猫を迎えたいと考えている方はアレルゲンの少ない猫を選ぶというのもひとつの選択肢。「猫アレルギーだから……」といって諦めるのではなく、できる工夫を取り入れて猫との暮らしを実現してみてはいかがでしょうか。
まとめ
- 猫アレルギーの症状は花粉症や蕁麻疹に酷似!症状のほとんどは「かゆみ」
- 猫アレルギーの原因は猫が持つタンパク質(fel d)で、唾液やフケ、排泄物などに含まれる
- 大好きな猫との暮らしを実現させるなら、猫アレルギーの症状を軽減させる工夫が大切
※アレルギー症状の度合いは人により異なります。猫飼育の可否については医師または獣医師と十分な相談を行いましょう。