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【野良猫保護part7】野良子猫を捕獲して飼うまでの実話【最終話】

野良子猫 phto by LOVEYOURSELF

愛猫を迎えるより前の、ある年の夏、7月上旬のこと。家の駐車場に迷い込んだ野良の子猫を保護する機会がありました。大の猫好きである私(と夫)にとって、それは喜ばしいことのはずでした。

ここでは、野良子猫の保護から最終的な決断に至るまでの実際の体験談をまとめています。忘れられない思い出をこうして記事に残すことで、同じような境遇にいる方の助けになれば幸いです。

 

前回までのお話はこちら▽

Part.1

Part.2

Part.3

Part.4

Part.5

Part.6

 

かかった費用や必要になった道具の一覧はこちら▽

--Coming Soon--

 

目次

 

保護した子猫を親元(野良生活)に返すことはできない

一度、人のもとで暮らしてしまった猫は、元野良猫といえど、野良の生活に戻ることは難しいとされています。母猫のもとに戻したとしても、母猫は自分たちのニオイがしない子猫を敵対視し、縄張りを守るために攻撃をする可能性だってあります。狩りの方法を教わっているかどうかも分からない子猫を、こうした過酷な世界に戻すことは、もはや選択肢にありませんでした。

夫の猫アレルギーが発症してから、私たちに残された選択肢は2つ。

・猫アレルギー対策をしながら共に暮らす

・里子に出す

 

子猫にとっての“最幸”は「里子」に出すことだった

野良子猫 phto by LOVEYOURSELF

子猫は、この先10年、15年、長ければ20年と生きる力を持ちます。風来のいちばんの幸せを考えたとき、答えを出すのに多くの時間はかかりませんでした。風来を自宅に迎え、夫の猫アレルギー症状が見られたときから脳裏に浮かんでいた悲しい選択、それが風来を里子に出すことでした。

しかし、悲しいのは風来ではなく私たち人間であり、この悲しみは風来への情から生まれる人間のエゴ。生まれ育った場所や母元から離された風来のほうが、私たちの何倍も辛かったはずです。そう考えるほど、この子には生涯幸せに暮らしてほしい、ここ(自宅)を居心地のいい場所と感じてしまう前に、安心して住み続けられるお家を見つけてあげたい、という気持ちでいっぱいでした。

こうして私たちは、知り合いの知り合いまで広く里親を募り、約1週間後には風来の迎え入れを承諾してくれる方を見つけることができました。

 

子猫の里親さんと会う

風来の里親に立候補してくれた女性は、2匹の先住猫と暮らしている方でした(同居人数など個人情報は伏せさせていただきます)。お写真を拝見するとミックス猫のように見えたので、先住の2匹も保護により引き取られたのかもしれません。

 

風来の里親さんが見つかり、猫に対する愛情深いお話を聞いたとき、私たちはこの人なら風来を任せられると感じました。今考えればとても安易で軽率な判断で、正直、記事にすることすら迷っていたほどです。

 

なぜなら、昨今、巧妙な手口で親切な里親を偽り、行き場のない動物を引き取っては虐待を行う里親詐欺が各地で起こっているから。一口に虐待といっても、目に見てわかるような傷害行為のみでなく、飼育できる許容を超えて十分な餌や飲み水を与えられない多頭飼育崩壊なども動物虐待となります。

こうしたトラブルを防ぐため、多くの保護団体は里親希望者に厳しい譲渡条件を定め、適切な飼育管理ができる方にのみ譲渡を認めています。

 

里親詐欺は、保護動物の譲渡に慣れていない人の心理を利用する悪質な行為です。この子を生涯幸せにしてあげてほしいという気持ちが大きくなるほど、詐欺の危険は高まり、だからこそ、譲渡の際は念入りな取り決めや交渉が必要です。

法律による定めはありませんが、一般的に、保護猫を譲渡してもらうには以下のような条件を満たす必要があります。

 

〈保護猫の譲渡条件の例〉

  • 本人確認書類の提示
  • ノミダニ駆除やワクチン、避妊・去勢に伴う費用の負担
  • 猫の飼育経験がない家庭で、6歳以下のこどもがいないこと
  • 18歳以下のフリーターや学生ではないこと
  • 家族の同意が得られていること
  • 脱走防止策を実施できること
  • 写真や動画で定期的な報告を一定期間続けられること など

※上記は一例です。保護猫の譲渡条件は保護団体により異なり、面談やトライアルの実施が必要な場合もあります。

 

私たちは、里親さんに多くは求めませんでした。

知り合いから里親希望の方の連絡先を聞き、何度かやりとりをした後、日程を調整して里親さんの自宅まで車を走らせました。県内近隣の市に在住する方だったので、幸い、風来もひどく酔うことなく目的地まで到着でき、待つこと数十分。

 

初めましてでお会いした里親さん。「ご足労おかけしました」と丁寧な挨拶で夫や私に労いの言葉をかけてくれた後、キャリーケースの風来を見た途端、輝くような笑顔になったあの瞬間が忘れられません。キャリー越しに風来へ声をかける様子は、日ごろから猫に話しかけている様子そのものでした。

 

風来と一緒に居られた時間はたったの1ヶ月でしたが、もっともっと長いものだったように感じます。お別れではなく風来の幸せへの第一歩だと思うと、送り出す際に涙は出ませんでした。

 

自宅に向かって走る車、ぽっかり空いた後部座席。助手席からルームミラー越しに後部座席を見たとき、堰を切ったように涙が溢れだし、風来との短い時間が走馬燈のように蘇りました。里子へ出すと決めてからの1週間は、少しでも風来との時間を作れるよう、家事や仕事を早く終わらせたりもしました。褪せない思い出とはこのことを言うのだなと、あの夏の1ヶ月を思い返すたびに、切なくも温かな気持ちが蘇ります。

 

子猫を里子に出してもうすぐ3年が経ちます

野良子猫 phto by LOVEYOURSELF

風来は私たち夫婦に、かけがえのない時間と、そのときは知る由もない幸せを与えてくれました。風来と過ごした1ヶ月があったことで、夫の猫アレルギーに強い耐性ができた可能性があり、今では愛猫を迎え、愛しい毎日を送っています。

黒猫は「魔女の手先」や「横切ると不吉」とよく言われますが、日本では古来より「福猫」として愛されてきた幸運の象徴。

あの夏の日、が吹くように突然やってた黒い子猫。この子と私たちにたくさんのるように、追いが吹くようにと願いを込めて名付けた「風来(ふく)」

風来が来てくれたことで、私たちの暮らしは激変しました。人生が180°変わったといっても過言ではありません。そんな今、私たちは幸せな日々を過ごしていますが、風来は今どんな景色をみて、どんな気持ちを抱いているのでしょうか――。

 

風来はその後、なんともチャーミングな名前をもらい、先住猫と暮らしています。毎日たくさんの愛情にふれ、幸福に満ちた日々を送っていると信じています。

風来ちゃん、私たちのもとに来てくれて本当にありがとう。

 

後日談

風来を里子に出した翌年の春、風来のママちゃんが新たな子猫とともに近所を歩いているところを見かけました。風来を保護したタイミングで母猫の保護・避妊までしてあげることができたら最善だったのですが、そのときは実行に至れませんでした。

歩く姿をよくよく見ると、今回は以前と異なり痩せ細った様子は見られません。話を聞くと、どうやら近所で野良猫にご飯をあげているおうちがあるそう。私の住む地域(市)には野良猫の保護活動を行う団体があるので、事態が深刻になる前に相談しようと決めました。

あれからもうすぐ3年が経ちますが、近所で野良猫を見かける機会はめっきり減りました。ボランティア団体さんが手を尽くしてくれているのか、どこかで面倒を見てくださっているのか、真相はわかりません。ひとつ言えることは、この一件があったときから野良猫のために何ができるだろうと考える時間が増えたこと。

辛い猫生を送る猫ちゃんを一匹でも減らすことができるよう、私たちにできることから実行していきます。

 

 

本記事をもって、私たち夫婦と風来のお話は完結となります。長らくお付合いいただき本当にありがとうございました。前のエピソードは以下からご覧ください。

 

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風来が残してくれた幸せ▽

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